靴修理屋「SHOE REPAIR STANDARD」 | インタビュー

SHOE REPAIR STANDARD

「都立大で靴修理屋と言えば、STANDARD」と街の人に言われる存在になりたいですね。

修理の作業を行っている、後藤さん。10年以上のキャリアを積んでいます 修理の作業を行っている、後藤さん。10年以上のキャリアを積んでいます

Double Sole(以下DS):靴磨き職人になったきっかけを教えてください。


SHOE REPAIR STANDARDさん(以下standard):高校を卒業して専門学校に入り、その後、とある紹介で看板の製作、取り付けをする仕事をしていました。僕の中では昔ながらの手書きの看板を作りたかったのですが、実際にはパソコンの前で作業する日々で、あまり楽しくありませんでした。
その時、知り合いから靴修理の仕事を誘われて、靴修理のキャリアが始まりました。24歳ぐらいの時ですね。
当時、特に革靴が好きという訳ではなかったけど、”靴修理の職人はカッコイイ” という思いはありました。



DS:STANDARDを開店した経緯を教えてもらえますか。


standard:誘ってもらった靴修理屋で4年間働きました。その後、他の靴修理屋に移動して、店舗を任されるようになりました。さらに、尾山台、下北沢と店舗を増やし、一緒に働く仲間も出来ました。その9年の間に、靴修理を依頼してくれそうな会社に営業をしたり、自分でも革靴を作るために学校へ通うなど、いろいろな役割をこなしてきました。
ある時、目白にある靴修理屋glueの店主ヨナガさんに出会い、話をしているうちに、一人で靴の修理をやり続けている彼の姿勢に感銘を受けました。カッコ良かったです。そして、もう一度一から靴修理を始めたいと思い、このSTANDARDを2013年9月に開店させました。



DS:店名のSTANDARDは、どんな意味があるのですか?


standard:長くやり続けて、この街の定番になりたかった。敷居が高く、特別扱いされるお店ではなく、街に馴染んだ定番のお店にしたかった。それでSTANDARDという名前にしました。これからも頑張って、「都立大で靴修理屋と言えば、STANDARD」と街の人に言われる存在になりたいですね。

付加価値を与える事でお客様は満足してくれる。そうすることで、お客様が知り合いにお勧めをしてくれるのだと思います。 必ず、値段以上の事をして、靴を返そうと心がけています。

修理に使うソールだけでも、この豊富な種類 修理に使うソールだけでも、この豊富な種類

DS:お客様との接客で気にかけている点はありますか?


standard:僕はよく話すタイプなので、お客様と多く話しかけます。そうすると、お客様からも話しやすくなる。その雰囲気作りは大切にしています。
あと、修理した靴をお客様に返す時に、”満足”してもらう事を心がけています。”納得”と”満足”は違います。例えば、カカトが壊れた靴を1000円で修理して渡すだけだど、納得はするけど、満足はしないと思う。カカトを1000円で修理して、さらに磨いた状態で返すと、お客さんは喜んでくれて、1000円という価格に満足するのだと思います。そのような付加価値を与える事でお客様は満足してくれる。そうすることで、お客様が知り合いにお勧めをしてくれるのだと思います。
必ず、値段以上の事をして、靴を返そうと心がけています。



DS:靴修理の楽しさ、醍醐味はなんですか?


standard:人に感謝される事だと思います。
お金をもらえて、さらにお客様に感謝されるこの仕事が出来て、僕は幸せ者だと思います。



DS:靴修理の職人として、ゴールはありますか?


standard:最終地点というのはないです。毎日が向上だと思っている。昨日修理した靴よりも、今日修理した靴の方が出来が良いという状態を常に作りたい。昨日の自分を追い越したいですね(笑)

靴はファッションの中で一番健康に影響が出ます。靴は大切なものだという考えを、もっと知ってほしいです。

店内には、靴に関する小物もたくさん 店内には、靴に関する小物もたくさん

DS:普段革靴を履いている人へ、お手入れのアドバイスはありますか?


standard:革靴はアッパーが大事だと思っています。ソールの部分は、いくらでも修理ができるが、アッパー部分は、完全には修理を出来ない。革質が異なったり、革の伸び具合を完全再現することが出来ない。なので、アッパーを交換してしまうと、履いた時に別の靴を履いている感覚になる事があります。なので、日々のアッパー部分のお手入れは大切です。できるだけ革が痛まないように履くことが大事です。
僕は3回履いたら、1回磨く。1回履いたら、3日休ませる。
ぜひ、参考にしてみてください。

あと1つ、大事な事を言わせてください。
世の中には、新しい物を買うより安いから、靴を修理するという考えが強いです。その考えも悪くないのですが、違う見方で「1足の革靴を長い間履き続けて、自分の足にフィットする履きやすさを追求する為に、途中で壊れた靴を修理をする必要がある」という大事な考え方があります。革靴は長く履くと、足にフィットしてきて、履きやすくなります。
足は第二の心臓と呼ばれるほど大切な部分です。その足を守る靴は、履きやすい靴を選んでほしい。靴はファッションの中で一番健康に影響が出ます。靴は大切なものだという考えを、もっと知ってほしいです。

この辺りの靴に対する考え方。お手入れの大切さ。いい靴の選び方。
世の中には、安い靴と高い靴の違いを分かっていない人が多い。製法の違いも知らない。知識がないから、良い靴を選べないのだと思う。知識をあれば、合皮の革靴を選ばずに、グッドイヤーの靴を選ぶ人が増えると思う。その辺りの革靴に関する知識を広めたいですね。ぜひ、日本中を回って講演したいです。誰か呼んでください(笑)

そういうこだわりを、お客様が気付いてくれなくても、やり続ける事が大事だと思う。伝わらなくても、丁寧な仕事をやり続ける。これが大事。

後藤さんの手作りの靴。パンプスにブローグが付いてカッコイイですね。 後藤さんの手作りの靴。パンプスにブローグが付いてカッコイイですね。

DS:STANDARDの特徴を教えてください。


standard:修理をしている職人に熱い思いがある。
街中にあるその場で直す靴修理屋と、預かって時間をかけて直す靴修理屋は違います。こだわりが違うと思います。例えば、修理工程でボンドを2回塗る時でも、1回目が乾ききる前に2回目を塗るのと、完全に乾いた後に2回目を塗るのでは、結果として異なる。
そういうこだわりを、お客様が気付いてくれなくても、やり続ける事が大事だと思う。伝わらなくても、丁寧な仕事をやり続ける。これが大事。この熱い思いを、ぜひダブルソールの読者の方にも伝えたいです(笑)



DS:STANDARDの情報は、どこから入手できますか?


standard:ホームページをご確認ください。



DS:最後に、ダブルソールの読者にメッセージをお願いします。


standard:いい靴を履いているのに、その靴をお手入れしていない人はカッコ悪いと思う。これだけ物が溢れた時代で、自分が選んだ靴。その靴をもっと、大事にして欲しいと思います。

後藤さんが修理をする作業机。いろいろな道具が発見できます 後藤さんが修理をする作業机。いろいろな道具が発見できます
STANDARDの看板もオシャレです STANDARDの看板もオシャレです
店内は、とても暖かい雰囲気 店内は、とても暖かい雰囲気
分かりやすい価格表示 分かりやすい価格表示
メモ

<価格>*参考価格になります。 詳細はお店に確認をお願いします

かかとの修理(Ladies) ¥972〜
かかとの修理(Mens)¥2160〜
ソールの修理(Ladies)¥2160〜
ソールの修理(Mens)¥2376〜
靴磨き     ¥864〜

Double Soleスタッフの感想

東京の都立大学駅にある、靴修理屋「STANDARD」。
店長の後藤さんは、靴修理の知識から、ファッションに関する知識まで豊富でした。しかも、とても話すのが上手なので、とても楽しい時間を過ごせました。
後藤さんの靴修理に対する熱い思いを、インタビュー形式の文章で伝えたいと頑張りましたが、伝わってでしょうか?
ぜひ、後藤さんの考えに共感された方は、STANDARDまで足を運んでみてください。もっと面白い話が聞けると思います!!